勉強をしていると、誰もがぶつかるのが「暗記」の壁です。
英単語、漢字、歴史の年号、理科の用語…。
一度覚えたつもりでもテストになると出てこない、そんな経験をした方は多いでしょう。
現代でも記憶術や勉強法は研究されていますが、実は江戸時代の人々も効率的に覚える工夫をしていました。
今回は江戸の記憶術をひも解きながら、科学的な視点で「暗記のコツ」を探ってみましょう。
江戸時代の人々と暗記の工夫
江戸時代は今のようにインターネットや参考書があるわけではありません。
それでも多くの人が学問を身につけ、寺子屋や藩校では子どもたちが読み書きや算術を学びました。
その際に重視されたのが「素読(そどく)」です。
これは声に出して繰り返し読む学習法。五感のうち「耳」と「口」を使うことで、単なる黙読よりも記憶に残りやすいと考えられていました。
さらに、当時は「歌」や「語呂合わせ」を使った記憶術も盛んでした。
たとえば九九(掛け算の表)はリズムに乗せて暗唱され、歴史的な出来事も和歌や俳句に組み込まれて子どもたちに伝えられていたのです。
これは現代の「赤い=酸性、青い=アルカリ性」などの語呂合わせや歌を使った勉強法と非常に近いものです。
記憶の仕組みを科学で解説
現代の脳科学の研究でも、江戸時代の工夫が理にかなっていたことが分かっています。
記憶は「短期記憶」から「長期記憶」へと整理される過程で定着しますが、その際に大切なのが「繰り返し」「感情」「関連付け」です。
- 繰り返し学習
エビングハウスの忘却曲線によれば、人は新しい情報をすぐに忘れてしまいます。しかし、一定の間隔で繰り返し復習することで記憶の保持率は飛躍的に高まります。素読のように何度も声に出して読むことは、自然な「反復学習」だったのです。 - 感情を伴う学び
人は感情が動いたときに記憶が強く残ります。江戸の人々が歌やリズムを取り入れたのは、楽しいという感情を学びに結び付けるため。現代でも「替え歌で歴史を覚える」などは効果的な記憶術です。 - 関連付け(連想法)
記憶は単体で保存するより、すでに知っている情報とつなげた方が定着します。江戸の人々が和歌や故事に知識を埋め込んだのは、文化や日常生活と学びを結びつけるためでした。
現代に活かせる「江戸流・記憶術」
江戸の学びの知恵は、現代の勉強にも応用できます。たとえば:
- 英単語をリズムにのせて歌う
- 歴史の年号を川柳や短歌にしてみる
- 数学の公式を身近な物語と関連付ける
さらに、最近ではアプリを使った間隔反復法(スペースドリピティション)も注目されています。
これは江戸時代の素読や繰り返し暗唱を科学的に進化させたものといえるでしょう。
記憶術と個別指導Witの学習法
両国校のある個別指導Witでは、脳科学に基づいた「五感で学ぶ」学習法を取り入れています。
見る・聞く・話す・書く・触れる、といった複数の感覚を組み合わせることで、江戸時代の素読と同じように記憶の定着を強める仕組みです。
また、生徒一人ひとりに学習計画書を作り、復習のタイミングまで管理することで効率的な暗記をサポートしています。
まとめ
江戸時代の人々は、インターネットやスマホがなくても、声・歌・語呂合わせといった工夫で大量の知識を記憶してきました。
そしてその方法は、現代の記憶術や脳科学と驚くほど共通しています。
大切なのは、ただ繰り返すのではなく、楽しく、感情を伴って、関連付けながら覚えることです。
暗記に悩む現代の中学生や高校生にとっても、江戸の知恵は十分に役立ちます。
もし「記憶術を自分に合った方法で取り入れたい」と考えているなら、ぜひ一度、個別指導Wit両国校に相談してみてください。