こんにちは!個別指導Wit瑞江校です。
「地球上の人が全員同時にジャンプしたら、地球にどんな影響があるのか?」
ふとした疑問ですが、これを物理の視点で考えると、意外と学びにつながる楽しいテーマになります。
今回は、数字や科学を使って、その可能性を探ってみましょう。
世界人口とジャンプの力
2025年現在、地球の人口は約80億人です。
仮に成人1人の平均体重を60kgとすると、地球上の人々の総重量は…
80億 × 60kg = 4.8 × 10^11 kg(約4800億kg)
これを一度に地面から持ち上げると考えると、かなりの質量です。
ジャンプの高さを0.3mと仮定した場合、どれくらいのエネルギーが必要か計算できます。
ジャンプのエネルギーを計算してみる
ジャンプに必要な重力エネルギーは、次の式で求められます。
E = m × g × h
- m = 4.8 × 10^11 kg(人の総重量)
- g = 9.8 m/s²(重力加速度)
- h = 0.3 m(ジャンプの高さ)
計算すると…
E = 4.8 × 10^11 × 9.8 × 0.3 ≈ 1.41 × 10^12 ジュール
これはかなりのエネルギーです。
参考までに、1トンのTNT火薬が爆発するエネルギーは約4.18 × 10^9ジュールなので、なんと…
1.41 × 10^12 ÷ 4.18 × 10^9 ≈ 337トンのTNT相当
世界中の人がジャンプするだけで、巨大なエネルギーが瞬間的に地面に加わるのです。
地球はどうなる?
では、実際に地球が動くのでしょうか?地球の質量は約5.97 × 10^24 kg。
ジャンプの総エネルギーと比べると…
1.41 × 10^12 ÷ 5.97 × 10^24 ≈ 2.36 × 10^-13
…ほぼ無視できるレベルのエネルギーです。
つまり、地球の軌道や回転にはほとんど影響はありません。地球はびくともしないのです。
小さな影響は?
ジャンプの衝撃は地面に伝わります。
大都市で同時に行えば、建物や地盤に微弱な振動は起こるかもしれません。
しかし、規模としては地震のような大きな揺れにはならず、私たちの生活に支障をきたすこともありません。
物理を日常で楽しむコツ
今回の計算からわかるのは、「日常の小さな出来事でも、数字や科学を使うと面白く学べる」ということです。
ジャンプという身近な行動を題材に、力やエネルギー、地球の大きさなどを考えると、物理の面白さがぐっと身近になります。
たとえば、身の回りの動作を使って学ぶとこんなこともできます:
- 階段を駆け上がるときに使うエネルギーを計算してみる
- 自転車で坂道を登るときの力の使い方を科学的に分析する
- ジャンプ力や跳ね返りの高さを測って、簡単な運動方程式に当てはめてみる
このように、数字や物理を日常に絡めると、学校で学ぶ知識がより実感として身につきます。
まとめ
「もし地球上の人が全員同時にジャンプしたら」というテーマは、一見ふざけた疑問に見えて、実は物理や数学を使った学びにつながります。
数字で計算し、現実のスケールを考えることで、科学の楽しさや学ぶ楽しさを感じられるのです。
身近な疑問を科学的に考えるクセをつけると、勉強もぐっと面白くなります。
次にジャンプするとき、ちょっと科学者気分で地面に伝わるエネルギーを考えてみてください。
学びは、日常の小さな「なぜ?」から始まります。