前期期末テストが終わり、多くの中学生が答案を受け取る時期になりました。
点数を見て喜ぶ子もいれば、思うように結果が出ず落ち込む子もいるでしょう。
そんなとき、保護者の言葉ひとつで子どものやる気が大きく変わることをご存じでしょうか。
テスト後の声かけは、単なる慰めや叱責ではなく、次の成長につなげるための大切なサポートです。
今回は、子どものタイプ別に効果的な声かけの工夫を紹介します。
1.落ち込んでいる子には「努力を認める言葉」を
テストの点数が思うように取れず落ち込んでいる子どもに対して、「なんでこんな点数なの?」と責めてしまうと、次への意欲を失ってしまいます。
大切なのは「点数」だけでなく「過程」に目を向けることです。
例えば「毎日コツコツ勉強していたのは知ってるよ」「前より英語の単語を覚えるスピードが速くなったね」といった具体的な努力を認める言葉は、子どもに「見ていてくれた」という安心感を与えます。
そのうえで「今回はここでつまずいたけど、次にどう直そうか一緒に考えよう」と寄り添えば、失敗を前向きに受け止めるきっかけになります。
2.良い結果が出た子には「努力と結果を結びつける言葉」を
テストで良い点数を取った子どもは、つい「すごいね!」と褒めたくなります。
しかし「すごい」という抽象的な言葉だけでは「運が良かっただけ」と思ってしまう子も少なくありません。
重要なのは「努力と結果の因果関係」を本人に実感させることです。
たとえば「毎日ワークをやったから応用問題もできたんだね」「早めに計画を立てたのが良かったね」と伝えると、子どもは「自分の工夫が成果につながった」と理解します。
これが次の学習へのモチベーションにつながり、再現性のある成功体験となるのです。
3.浮かれている子には「次への課題を示す言葉」を
点数が良かったことで安心しすぎて、つい油断してしまう子もいます。
その場合は「おめでとう!でも次はここを伸ばしたいね」と具体的な課題を伝えることが大切です。
例えば「数学はすごく良かったけど、国語の記述はまだ伸びそうだね」「英語の文法はできていたけど、リスニングも強化できたらもっと安心だよ」といったように、喜びを共有したうえで課題を提示すると、子どもは「まだやることがある」と気づき、次のステップへ自然に進めます。
4.声かけで避けたい3つのNGワード
一方で、保護者のちょっとした言葉が子どものやる気を削いでしまうこともあります。特に避けたいのは次の3つです。
- 「なんでこんなこともできないの?」
→ 自信を失わせる言葉。改善点を一緒に探す方が効果的です。 - 「もっと頑張れ」だけの抽象的な励まし
→ 具体性がないため子どもはどう行動していいか分かりません。 - 「お兄ちゃん(友達)はできてるのに」
→ 比較は逆効果。子どもは自分を認めてもらえないと感じ、反発や無気力につながります。
5.テスト後は「親子で振り返り」を習慣に
最も効果的なのは、テスト後に親子で一緒に振り返る習慣を作ることです。
- 良かった点
- 改善すべき点
- 次に向けてやること
この3つを簡単に話し合うだけで、子どもは「テストは終わりではなく次につながるもの」と理解します。
また、保護者自身も「成績表を見て一喜一憂するのではなく、成長のプロセスを見守る」という意識に変わります。
テスト後の声かけは、子どもの学習意欲を大きく左右する大切なタイミングです。
結果に一喜一憂するのではなく、その裏にある努力や課題に焦点を当てることで、子どもは次に向けて前向きに進むことができます。
ぜひこの週末、お子さんとテストの振り返りをしてみてください。それが後期の学びを充実させる第一歩になるでしょう。